怖い話「隠蔽劇場!!50年後のロストフィルム!」
ある日、ネットオークションに失われたはずの呪われたホラー映画フィルムが出品されました。
このフィルムは、かつて撮影中に不慮の事故でスタッフや出演者が次々と死亡していくという曰く付きの作品でした。不気味な出来事が続いたにも関わらず、この映画はなんとか完成しました。
しかし、その映画は質の悪いZ級作品であり、シナリオも支離滅裂でした。観客たちからも酷評されるばかりでした。
しかしこの映画には、恐ろしい秘密が隠されていました。実は、このフィルムは命を奪う力を持っていたのです。映画を観た人々の中には、映画のシーンのような形で殺される者もいたのです。不思議なことに、遺体はひどく酷い状態で見つかりましたが、犠牲者たちは安らかな表情を浮かべていたのです。
被害者たちには共通点がありました。それは、この映画の真の意図を理解していたということです。映画のシナリオには政治的なメッセージが込められており、その裏に隠された意図を理解した人々だけが、真の恐怖を味わうことができたのです。
被害者たちはSNSで映画への悪評へ反論していましたが、彼らは次々と暴力に屈していました。
まるで、この映画の真実を知る者たちによって、彼らは次々と沈黙させられていったのです。
事件を追っていたジャーナリストは、犠牲者を増やさないためにも、この映画の真の意図を世間に知られることはないまま、フィルムを焼き捨てました。そして事件は闇に消え、都市伝説として語り継がれるようになりました。
しかし、50年後、失われたはずのフィルムがネットオークションに出品されました。
フィルムを焼き捨てたジャーナリストはすでに亡くなっており、この事件の真実を記録した証拠もネット記事も存在しませんでした。政治的なメッセージも風化してしまったのです。
フィルムは数千円で落札されましたが、その後の行方はわかりませんでした。
犠牲者は出ないはずでした。
しかし、犠牲者は現れました。
今度は、映画の真の意図を理解せずにただ悪評を書き込む人々が狙われるのです。
事件の真相はこうでした。
撮影中に亡くなった俳優は、目立ちたがり屋で質の悪い役者でした。しかし、彼はシナリオ作家との会話で真の意図に気付いていたのです。自分の姿が使い回されることに耐えられず、怨霊となって真の意図を理解した者たちだけを殺していったのです。
自分が偏った政治的なイデオロギーの持ち主だと思われるのが嫌だったのです。
彼は神様のようなキャラクターを演じ、異世界転生のトリックで犠牲者たちを惑わせました。そしてフィルムが焼かれると、彼は安心して成仏したのです。
しかし、50年後の現代では、真相を伝える努力が怠られ、欺瞞が蔓延る社会でした。そのため、彼の望むように真の意図を理解する者は現れませんでした。
そして、50年後の事件は、シナリオ作家と騙されて殺されたファンの怨霊によって再び引き起こされたのです。真の意図を理解する者が現れれば、彼の怨みも晴れるかもしれませんが、それが不可能な状況では、事件は繰り返されるしかないのです。